暖かな陽光を追いかけて吹く春風が、この溧陽の小さな町全体を緑の詩へと縫い上げる。濃厚な春の気配が山、河、田野を満たし、この土地を気ままに流れていく。さあ、今回紹介する楽しみ方を紐解いて、春の足跡を辿ってみよう。活き活きと素晴らしい春を心行くまで抱きしめられるはずだ。
茶が春の色に潤う里には、心地よい茶摘みの時間が隠されている。竹籠を背負って茶農家へと装いを変え、段々畑の間を歩き、やわな茶の芽を指先で軽く摘み取り、茶摘みの詩意と楽しさを体験しよう。遠くに目をやると、茶畑が山々を多い、その奥には雲や霧が漂っている。春を踏みしめねがらそぞろ歩きすれば、山全体に漂う美しい静けさと茶の香りが押し寄せ、空気さえも清らかで甘く感じられる。溧陽の春茶は白茶を以て「鮮」(新鮮で美味しい)とする。風とともに漂う淡く品あるその香りは、春の香りと味わい共に通じる独特の記憶だ。
竹林の深くに潜んでいるのは、春独特の野趣だ。春の雨が潤した南山の野山いっぱいに広がる竹林では、土からひっそり顔を覗かせたタケノコが、潤った大地のうえで思う存分に生長していく。竹籠を手に竹の間をすり抜けながら奥深くまで探索し、新鮮でみずみずしいタケノコを自分の手で掘り、春からの宝物を収穫しよう。タケノコの先端のやわな部分に指で触れると、耳元で竹のそよぐ音がこだまする。その瞬間、山に広がる野趣は最高潮に達する。
晴天の日を選んで溧陽の山林に登って高いところから遠くを眺める、それはベストな選択だ。自然のフレッシュな空気を吸い込んで、一歩一歩高みへと登って遠くを見渡すと、まるで不思議な魔力が湧いてきたかのように感じられ、心の扉がさっと開き、すべての憂いは山風と共に消えてしまう。自分で自分を山野へと追放してみよう。緑山と碧水に抱かれながら他では得難い静けさと自由が手に入るはずだ。
世間に3月の春風が吹くころ、溧陽の街中を濃厚な花が満たす。山野では鮮やかな花々が競って咲き乱れ、まるで雲霞のように輝く。赤やピンク、黄色など、密生する色とりどりの花がその美しさや珍しさを主張しながら、溧陽の春を多彩に飾る。さあ、この街の春を尋ね、花の海に目を奪われながら、春からのいちばん情熱的なプレゼントを感じよう。





























